研究会活動

平成29年 活動報告

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平成29年02月09日
・03月11日
テーマ:事業法人・同役員(個人)への私募型EB債の勧誘販売事案
報告担当:渡辺数磨弁護士(金沢弁護士会)
平成29年01月17日
テーマ(1):個人情報保護法に基づいて、顧客と証券会社との通話録音記録を開示請求できないか
テーマ(2):各会員担当の事例研究
報告担当:松田繁三弁護士

平成29年02月09日・03月11日

テーマ:事業法人・同役員(個人)への私募型EB債の勧誘販売事案

報告担当:渡辺数磨弁護士(金沢弁護士会)

事案の概要

地方で製造業を営む同族会社及びその役員(女性)に対して、私募型のEB債(外国株々価連動型)を勧誘販売した事案。

商品特性

EB債の商品特性。大阪地裁平成25年2月15日判決を参照。※

※前記判決要旨

「本件各EB債については、満期時までに対象株式がトリガー価格を超えて上がると早期償還されてその後は金利がつかずに元本が償還され、基準価格を下回らない限り一定の高い金利が払われるが、それ未満になると0.1%の金利で拘束される上、株価が下落し転換対象株式で償還された場合に下落分の評価損を負担することとなるが、途中売却が困難であるためにそのような評価損を軽減又は回避することができないなどのリスクが存するものということができる」
「そのため、購入者は、経済状況、株式市況の動向に関心を払い、3年後の株式市況の動向を予測した上で、途中売却が困難であるというリスクを取りつつなお購入すべきか否かの判断をしなければならず、主体的積極的な投資判断を要する投資商品であり、リスク性の高い投資商品である」

違法性

本件取引の違法性としては、適合性原則違反と説明義務違反が考えられる。

特に、適合性違反について。

資金適合性

本件EB債の購入に充てられた資金の性質からして、リスクを取れないにも関わらず、リスクの高いEB債の購入を勧めたのは問題ではないか。

意向適合性

EB債には、上記商品特性があるので、株価変動によって得られる利益が異なるので、株の値動きを見るのがしんどいと感じ、株式取引は避けたいと考えていた購入者の投資意向にはそぐわないのではないか。

知識能力適合性

本件EB債の対象株式が外国株であるところ、外国株については日本株に比べて情報が入りにくいことから、高い判断能力を有していなければ適合しないのではないか。

法的手続等

同種案件における訴訟手続や証拠保全手続、立証資料やその入手方法等について、参加会員の経験を踏まえた意見交換が行われた。

平成29年01月17日

テーマ(1):個人情報保護法に基づいて、顧客と証券会社との通話録音記録を開示請求できないかテーマ(2):各会員担当の事例研究

報告担当:松田繁三弁護士

個人情報保護法に基づいて、顧客と証券会社との通話録音記録を開示請求できないか

問題の所在

今日、各証券会社では紛争対策及び社内モニタリングのために、顧客と職員との電話内容を録音し、保存する態勢が整っている。そのため訴訟においても録音記録が重要な証拠となる場合が多い。しかし、証券会社によってはその提出を拒否するところもある。これに対しては文書提出命令申立を行なうのが実務上の通例であるが、証拠収集の手段を拡充するとの観点から、個人情報保護法に基づく開示請求の可否を検討してみる。

意見交換

論点としては、①録音記録が「個人情報」に該当するか、②録音記録が「個人データ」に該当するか、③録音記録が「保有個人データ」に該当するか、④裁判規範として開示請求権が存在するか、⑤開示請求を拒否できる例外事由に該当する場合は何か、などがある。

電話会話の録音記録は個人情報保護法に基づいて開示請求できると考えられる。なお、前記録音記録以外の資料については、それを同法に基づいて開示請求できるかについて研究を進める必要がある。

各会員担当の事例研究

参加会員が担当している具体的事案の情報交換・相互助言などを行なった。その中から、回転売買事案、外国株事案、高齢者被害事案などいった一定の類型の事案が集中する証券会社があることが分かってきた。