研究会について

研究会について

大阪証券問題研究会は、大阪弁護士会所属の弁護士が、金融商品[1]の組成と販売を巡る個人投資家[2]と証券会社をはじめとする金融商品販売業者[3]の間のトラブルにつき、個人投資家の立場からより良い解決を図ること、及びそれを通じて個人投資家の権利の擁護と向上に寄与することを目指して、情報交換と相互研鑽に努めているグループです。

私たちの使命

大阪証券問題研究会の使命は、会員相互が情報と経験を交流し切磋琢磨し合うことにより、個人投資家(金融消費者)が金融商品の購入保有(証券投資)によって蒙った金銭等の被害救済にかかる法律実務の質的量的向上を図ること、それを通じて、個人投資家(金融消費者)の権利の擁護と向上を目指すこと、更に、この法分野における判例および法理の創造と発展に寄与すること、にあります。

研究会の活動概要

大阪証券問題研究会の活動内容は、原則毎月1回の定例研究会(月次例会)を大阪弁護士会館会議室で開催し、各会員が個人投資家から相談を受けている事案、訴訟提起を準備している事案、訴訟係属中の事案、あるいは訴訟において和解・判決を得た事案を素材として、意見交換を行なっています。月次例会では、外部講師(金融経済の専門事業者や経済・法律の研究者)をお招きして、意見交換を行なうこともよく行われています。

更に、全国証券問題研究会(全国ネットワーク)が半年ごとに開催する同会の全国大会において、全国各地の証券問題取扱い弁護士との情報交流と意見交換にも参加しています。なお、大阪証券問題研究会は全国証券問題研究会の有力メンバーとして、これまで何人もの代表幹事・幹事長を送り出しています。

大阪証券問題研究会の歴史

大阪証券問題研究会(以下、当研究会と言う)の活動開始は、平成3年の証券不祥事事件の社会問題化に端を発しています。いわゆる証券バブルの崩壊に伴い、証券会社による得意先企業向けの損失補てん問題が社会問題化するのと並行して、個人投資家に対しても違法不当な販売勧誘が横行していたことが明るみに出てきました。

その極め付けと言えるのが、ワラント[1]の不当販売と株式投資における過当取引[2]による投資家被害でした。そのような中、当研究会は、当初、「ワラント・証券問題被害対策弁護団」として発足し、 同様の被害救済に関与する全国各地の弁護士のネットワーク組織である「全国証券問題研究会[3]」(平成4年2月に結成)にも参加し、その重要な一翼を担ってきました。そして、平成21年4月に、名称を現在の「大阪証券問題研究会」に改称しています。

これまでの20年の間、前半では、ワラント不当販売による被害救済に注力し、並行して、過当取引の判例法理を開拓するほか、無断売買や説明不足による被害救済にも、継続的な情報交換と相互研鑽によって取り組んできました。

後半、即ち、ここ10年間では、引続き前記類型の問題に取組む傍ら、いわゆるEB[1]の組成販売を巡る実態解明とそれを踏まえた被害救済に取組み、次いで、マイカル債事件[2]において普通社債の信用リスクにかかる説明義務の内容と水準の判例開拓に挑戦して成果を上げ、更に、最近では、仕組債[3]仕組投信[4]デリバティブ取引[5]の被害救済と判例開拓に力を注いでいます。

なお、現在、原告総数約190名で第1次~第9次までの集団訴訟となっている「高木ファンド事件[6]」も当研究会の会員有志が取組んでいます。